新人看護師さんのための輸液療法 -2. 細胞内・外の電解質バランス-

こんばんは、minnieです。
今日は昨日に引き続き、輸液製剤の理解のための基礎知識の勉強です。

昨日は水の分布について、見ていきました。
体の中の水分分布を知ることが、輸液製剤の使用適応を知る近道だからでしたね。

昨日の図を少し変更して、絵も添えてみます。

      体内の水分分布

この絵に水がどんな割合で分布されているかを、覚えていきましょう。

次は、電解質のバランスを覚えよう

今日は詳しい内容は置いておいて、まず 細胞内血管内だけに注目して覚えましょう。血管内とは、つまり血液です。普段、臨床で見る血液データを思い出してもらえばOKです。
そして、電解質はNa(ナトリリウム)K(カリウム)だけに注目しましょう。

輸液がどこに分布をするのかは、Naの量によって決まります。
浸透圧と言う言葉を覚えているでしょうか?その浸透圧を調整しているのがNaです。
Naは、血液(血管内)に多く含まれていまれています。
Naは通常、血管内に 142mEq/L、細胞内に 15mEq/L ほどあります。

      

. 輸液製剤内に含まれているNaの濃度によって、血管にとどまるのか細胞にとどまるのかが変わってきます。
そのため、分布場所を考えると時には、この血管内・細胞内のNa濃度を覚えておいて、輸液に含まれている濃度と比較をしていくことになります。

次にKです。浸透圧には直接関係しませんが、Kの値で輸液内容を変更することも多いので、ここで一緒に覚えておきましょう。
Kは神経の興奮や筋肉の収縮に関係する生体の維持には欠かせない電解質です。多くても少なくても、生命の危機につながる電解質ですよね。
Kは通常、血管内に 4mEq/L、細胞内に 150mEq/L ほどあります。

今日は、このNaとKを値をしっかりと覚えましょう。多分、血液(血清内)の値は理解されているでしょうから、細胞内はNaの濃度が低いと言うことを覚えましょう。

生食の吸収場所を見てみよう

今日は、1つ生食(生理食塩水)を例に、吸収されるところを考えて見ましょう。生食は細胞外液とも呼ばれますね。
それは、細胞外液と生食の浸透圧が同じだからです。(同じになるように作っているいます)

もし、Naを含まない真水を1000mL 体に入れると、生体の水分分布図通りに吸収してされます。(昨日の1000mLの水の分布を参照ください)

次に生食の場合は、Na 154mEq/L で細胞外液と同等の濃度なので1000L点滴すると、全てが細胞外に入ります。

細胞外は、血管と組織間で1:3の割合に分布されるので、生食1000mLのうち、250mLが血管内に残り、750mLは組織間に入ると言うことです。

計算上の値なので実際には変動があるようですが、このような計算でざっと計算します。つまり、医師は吸収させたいところへ行く輸液を選んで指示を出していると言うわけです。

いかがでしょうか、輸液療法の理解に生体の水の分布Na濃度が大切なことが、わかってきたのではないでしょうか?

今は、ガッツリ覚えられなくても大丈夫です。まずは、イメージさえできていれば、次に別の輸液で考えると理解が深まります。いくつかの点滴で、組成と分布を考えると分布割合が頭に入ります。
それに、輸液の組成もパターンがあることがわかってきて、だんだん考えるのは楽になっていきます。まずは、水分分布・Na濃度を超えていきましょう。

では、今日は以上で終わりたいと思います。
これを機に、ぜひ臨床で実際に使われている輸液の電解質組成を見てみてください。

最後まで読んでいただきありがとうございました。
minnieでした。

 

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