こんばんは、minnieです。
前回、電解質輸液のお話をしましたね。
今日は、他の分類の輸液のお話ではなく、輸液を使う(患者さん)状態・状況をみる方が理解が深まりやすいと思うので、脱水について見ていきます。
脱水に使う輸液はこれですと言いたいのですが、脱水も種類があるので、まずは脱水の種類を見ていきましょう。
低張性脱水
高張性脱水
等張性脱水 の3つです。
先日の電解質輸液のところでも出てきた言葉が含まれていますね。つまり、浸透圧と関係していることが予測できるのではないでしょうか。
そうです。その通りです。つまり、ここまで勉強してきた電解質・浸透圧の知識が役に立つと言うことです。
脱水てどんな状態?
脱水とは、どんな状態ですか?言葉で説明して見てください。
「水が足りない状態」でしょうか?
これでは、言葉が足りません。
脱水とは「何かしらの原因で、細胞外液量が不足した状態」です。
メモ
細胞外液とは、血漿と間質液です。
何らか原因は今回の話のメインではありませんが、。「多量に汗をかく」「食事や水分を摂取できていない」「大量出血」などなどです。
脱水の種類分け
種類は、3つでしたね。これは、血漿中のNa濃度によって分けられています。
低張性脱水(Na欠乏性脱水) Naが少ない=Na濃度が低い
高張性脱水(水分欠乏性脱水)水が少なくなって、Ns濃度が高くなった。
等張性脱水(混合性脱水)水とNaの量が等しく少ない=Na濃度は変わっていない。
メモ
細胞外のNaの量覚えていますか?血清Na値を覚えていれば大丈夫!大体、142mEq/Lくらいでしたね。(間質液の方が少し高い)
高張性脱水
まずは、単純に水が足りなくなった高張性脱水からみて見ましょう。
わたし的には、高張性脱水の機序説明が一番難解💧
でも、臨床でもよくお目にかかります。
今回は、患者さんが「水分を取れない状況」だと考えて見ましょう。
水分摂取できないと
血管内の水分が減少
↓
血管内のNa濃度が上昇する
↓
細胞外液の浸透圧が高くなる
細胞外液の浸透圧が上がると、細胞内の水が細胞外に移動します。
(Naの濃度を一定に保つために、水の移動が起こる)
これにより、細胞内の水が減って細胞内脱水となります。
細胞内の水で、細胞外の水の不足を補おうとして細胞内脱水になったが、細胞外もまだ水が足りていない状態が高張性脱水です。
文章だけじゃわかりにくい。
図を試みましたが、うまく表現できず・・・。
高張性脱水は、血漿のNa濃度が高い状態なので、高Na血漿になる場合もあると言うことです。
低張性脱水
細胞外液のNa濃度が低くなっている状態です。
どんなときに起こるかと言うと、多量の汗をかいて水をたくさん飲んだときなどに起こります。
汗は「水と少しのNa」です。そして、水だけ摂取すると、減ったNaの補充がされません。つまり血液の中のNaは減少し、水だけ増えるのでNa濃度が低下します。(熱中症予防で塩を摂りましょうと言われるのは、このためです)
細胞外液のNa濃度が下がり、細胞外液よりも細胞内液の方が浸透圧が高くなると、細胞外液の水が細胞内へ移動します。すると、細胞外液量が減少し脱水となります。(脱水とは細胞外液量が不足することでしたよね)
低張性脱水の場合、細胞内液が増えると浮腫が起こることもあります。もう1つ、血漿のNa濃度が低下しているので、低Na血漿となることもあります。
等張性脱水
水とNaの両方が等しく減った状態です。
原因として、すぐに思い浮かぶのが出血ですね。あとは、熱傷も思い浮かびますか?(わたしは重度の熱傷事例を見たことがないので、あまりピンときません)
等張性脱水は、浸透圧に変化を認めませんが、単純に体液が細胞外から出ていっているので脱水になっていると言う状態です。
必要な輸液を考えよう
次に、これらの脱水の時の輸液を考えて見ましょう。
本当は脱水の原因にもよるのですが、今日は難しいことは置いておいて考え方だけ覚えましょう。
高張性脱水
細胞外(血管内と組織間)と細胞内液の補充が必要なので、そこへ水を分布できる5%ブドウ糖溶液の輸液が選択されます。
低張性脱水
細胞外液の補充が必要なので、細胞外液の輸液を行います。ただし、Na補正は大変難しいので、脱水を起こしている原因によるところが大きくなると思います。また、輸液のスピードも注意が必要です。(わたしも、まだよく説明できません)
等張性脱水
こちらも、細胞外液の補充が必要なので、細胞外液の輸液を行います。低張脱水との違いは、Na異常がないので、シンプルに酢酸リンゲルや生食の輸液対応でOKです。
おわりに
今日は、脱水治療に使われる輸液をみることができましたね。
やっと、輸液療法ぽくなってきましたね。
今回は、サックと「等張性脱水には生食」と言ってしまったのでなぜかが理解できなかったかも知れませんが、以前に出てきた生食が体内にどのように分布されるかと、合わせて見ていくと、なぜ「等張性脱水には生食」なのかが理解できるようになります。また、後日その2つの関連付けをしていこうと考えています。
それでは、最後まで読んでいただきありがとうございました。
minnieでした。