メンバーからリーダー看護師への報連相の方法 –的確な報告の方法–

こんばんは、minnieです。
今日は、「報連相」の第2弾です。

前回、報連相にはアセスメント力が必要と言いましたが、
やはり報告が上手い人は、事の全体とポイントを理解しているので
報告が上手いのだと思います。

では、今日は「的確な報連相の要素」から上達の方法をみていきましょう。

報告が上手くなる方法

今日は日常の報告(病棟で毎日行う報告)、
メンバーNSから、リーダーNSへの報告で考えてみましょう。

日常の報告を具体的に言葉にすると

「自分が観察した患者の状態をアセスメントし、
それを言語化してリーダーNSへ伝えること」ですね。

そして、大切なことは端的・的確であることです。
当たり前ですが、この端的・的確が難しい…。

的確な報告に必要な4つの能力

「自分が観察した患者の状態をアセスメントし、
それを言語化してリーダーNSへ的確に伝えること」

上記を要素分けすると、「観察」「アセスメント」「伝える言葉」「的確さ」が報告には必要なことがわかります。

そして、それらを4つの能力に分けることができます。

観察力(患者の観察)
アセスメント力(観察項目の統合と判断)
言語化力(考えを言葉にする力)
要約力(全体を要約する力)

つまり報告が上手くなる方法は、上記の4つの力を鍛えることです。

報告が上手くできないと、悩む新人看護師は多いですが
自分がどこが苦手なのか、理解できていますか?

まずは、自分が苦手なところ、得意なところを理解しましょう。

鍛えるところを絞ろう

人によって苦手なところが違うと思います。

基本は、自分で目標(課題)を認識して、
対策を考えるといいと思います。

ただ今回の場合は、疾患に対する知識が少ないと言語化力や要約力にも
影響が出てくるので、疾患の理解は初めにすることをお勧めします。

実際に仕事をしている方は、一度にたくさんの疾患を
勉強する必要はありません。
まずは、自分の部署で一番多い疾患に絞って勉強しましょう。

なんでも1つ型ができると、後は楽にできるようになるので、
まずは、1つの疾患でいいので、報告の型を作って
報告力を上げていきましょう。

SBAR  ←  報告ツールの使用

報告にも色々なツールがあると思うのですが、
既存のツールを上手く使うのも1つの手です。
ツールに使われるのでは、使いこなしましょう

全例ではありませんが、患者さんの状態報告には、
SBAR(ISBARC)の使用が適していると思います。

S Situation:患者さんの状態

B Background:臨床経過

A Assessment:状況評価の結論

R Recommendation:提言または具体的な要望・要請

今日はSBARの各内容の説明は上記のみとし、使い分けのお話をします。
大切なことは、ツールに使われるのではなく、使いこなすことです。

どういうことかと言うと、SBARの全ての項目に患者さんを当てはめる必要はないと言うことです。
必要なところだけ、上手く使いましょう。

報告1     異常のない経過報告

まず、患者さんに異常がない場合。
これは、SBARを全て使用しなくてもいいでしょう。
大切なのは「①異常がないこと、②異常がないと判断した理由」
この2つを報告できれば、十分です。

(80代 男性 肺炎で酸素療法中の患者の朝の検温の報告)

I  「506号 Aさんです」  ←大勢の報告には、患者の同定が必要

S「状態は変わりありません」 ←初めに異常の有無を言う

次に、そうアセスメントした観察項目と理由を述べる。
B・A「酸素2L/分下で、SpO2 96%で呼吸状態安定しています」

この患者さんの現在の1番の問題が「酸素化」ならこれでOK。

 

発熱が、1番の問題点であったらなら、
熱の有無について、報告するといいでしょう。

この場合は「異常がない」ので経過報告のみで十分だと思います。

しかし、報告は患者さんの状態に左右されるので、
絶対この順番ということはないです。
ただし、まずは異常が「ある」「ない」の結論を言ってから
内容に入るのは、大切なポイントです。

観察項目・アセスメントは、部署の報告(申し送り)上手な先輩が
何をどの順で話しているかをメモしましょう。
上手な人を真似るのが一番です。

そして、なぜ先輩がその順に報告しているかを考えて
自分なりの答えを見つけてください。
(わからなければ、先輩に直接聞くのもOK)

報告2    アドバイスを求めるとき

次は、気になることがあってアドバイスが欲しい時です。
大切なのは「①アドバイスが欲しいと伝える、②患者の状態と悩んでいる理由、③自分の考え」を伝えることです。

①アドバイスが欲しいと宣言しよう

「Aさんの酸素を減量すべきか悩んでいて、アドバイスが欲しいです」

 

②状態と悩んでいる理由

S「安静時は酸素化できていますが、」
B咳き込むとSpO2の低下が見られます。(咳き込みの頻度は多くない)」

③自分の考え

B「咳き込みの頻度は多くないので、」
A「(酸素を)減量してもいいかとも思います」
R「どう思われますか」「教えてください」

この場合は、SBAR全てが使われています。

報告3   急ぎ報告

ここが、アセスメント力の必要なところかもしれません。

多分、生命の危機は割と簡単に判断ができると思います。
心肺停止とか意識がないと言うのは、看護師ならすぐに
応援を呼ぶという判断ができると思います。

応援要請は端的に(緊急時はNS コールで応援を呼ぶ!!)

I「506号 Aさんです」  ←必ず患者の同定を行う

S「心肺停止です」     ←大切なことだけでOK

R「すぐに応援をお願いします」

「コードブルーをお願いします」

緊急時の第1報は、上記のISRでOK。
応援が部屋に到着したら、詳しいS・B・Aを述べます。

次に、生命の危機には該当しない異常時ですが、
実際には、これが一番報告のタイミングを測るのが
難しく、アセスメント力を必要とする内容かもしれません。

患者の臨床症状と各データを統合して、緊急度合いを
判断する力ですが、簡単に養われる力ではありません。
知識に加えて経験が必要になります。

そのため、新人さんの場合は
異常を感じた場合は直ちに報告することです。
迷っているなら、報告するのが一番です。
報告の型としては、報告2と同様の型でいいと思います。

①異常(値)を報告すると宣言しよう

「Aさんですが、SpO2に変動があるので報告します」

 

②状態報告

S「咳き込むと、SpO2が80代となります」
B安静時の呼吸回数は14回/分ほどでSpO2も安定していますが」「咳き込んでから、5分程は肩呼吸で25回/分ほどの呼吸回数です。SpO2の回復にも〇分かかります」

 

③自分の考え

R 「どうしたらいいでしょうか」

   ↑

どうしたらいいかわからなけれな、それをそのまま伝える。

こんな感じで十分です。
これで、十分的確です。
患者さんの状態を正しくアセスメントするだけが、
的確な報告ではなく、自分が「どうしたらいいかわからない」
「指示・支援が欲しい」と的確に報告できていますよね。

これは、医師への報告でも同様です。

自分がわからないことを言葉で濁す(曖昧に報告する)よりも、
「わからない」とはっきり答える、伝えることが大切です。
そうすると、支援する側も必要な助言や指示を出すことができます。

おわりに

今日は、的確な報告報告の上達の方法をみてきました。
まとめると、以下のようになります。

的確な報告

  1. 的確な報告には以下の4つの能力が必要である。観察力(患者の観察)
    アセスメント力(観察項目の統合と判断)
    言語化力(考えを言葉にする力)
    要約力(全体を要約する力)
  2. ツール(SBAR)を使って報告しよう。
  3. 「わからない」ことを伝えることも大切。

報告の上達方法

  1. SBARの必要なところを状況に合わせて、アレンジして使用しよう。
    ツールに使われずに、使いこなす。
  2. 上達させたいところを絞って取り組もう。

 

どんなことでも、文章にまとめるのは難しいですね。
あまりにも上手くまとめられなくて、毎回アップをためらってしまします。
これも訓練と思い、拙い文章でもアップしようと思います。
そのうち、過去の記事もブラッシュアップさせる余裕ができることを
期待して、今日は終わりたいと思います。

報連相が苦手な人も、これは上手くなるステップと思い一緒に
頑張りましょう。
それでは、最後まで読んでいただきありがとうございました。
minnieでした。

 

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